採用活動・求人広告を科学する【ブレインズ総研】― ブレインズ・コミュニケーション公式ブログ ―

求人はユーザーへのプレゼンテーションの場でもあります。「募集」段階をうまく乗り切りたい！とお考えの雇用主・採用担当者の方々に、ディップ総合研究所が発表したアンケート調査結果をもとに、属性別のニーズを把握しながら、学生、主婦/主夫、フリーターのそれぞれの求人広告の重視ポイントを詳しくご紹介します。ターゲットが不安や疑問に感じていることを、応募前に払しょくすることで企業の募集効果がアップすることが期待できます！

【学生編】では、学生ターゲットに重要な記載ポイントをみていきましょう。 まず、学生の求職者が仕事探しをする際に何を重視し、何に不安を感じているのでしょうか？

1位：勤務地（67.7％）
2位：仕事内容（61.6％）
3位：給与（57.5％）
4位：勤務時間（27.4％）
5位：勤務日数（25.3％）
6位：職種（15.6％）
7位：応募資格（13.7％）
8位：雇用形態（13.4％）
9位：給与以外の待遇・制度（9.4％）
10位：勤務曜日（8.1％）

と続きます。企業が容易に変更できない勤務地以外の項目については、工夫することが可能です。学生層のニーズを詳しく探り、応募効果の向上を図っていきましょう。

学生層の求職者が知りたい「仕事内容」は？

学生層が重視する「仕事内容」について、応募意向が高まるポイントを重要度の高いものからご紹介します。仕事内容の不安が解消された場合、85.5％の人が、応募意向が高まると回答しています。

【仕事内容について記載しておきたい情報】
※カッコ内の数字はアンケート回答率
１．1日の業務の流れ（タイムスケジュール例）（71.0％）
２．「誰にでもできる簡単な仕事」と書いてある場合の具体的な内容（59.4％）
３．作業の具体的な手順（54.8％）
４．仕事の大変なところ（48.9％）
５．業務のノルマの有無（42.5％）
６．業務に必要なスキル（できるだけ具体的に）（37.1％）

学生層の求職者が知りたい「給与」条件は？　

学生層が重視する「給与」について、応募意向が高まるポイントを確認しておきましょう。

【記載しておきたい給与の情報】
※カッコ内の数字はアンケート回答率
１．休日出勤・深夜勤務・残業等があった場合の時給（61.6％）
２．給与の支払い日（56.7％）
３．給与に幅がある場合の高い給与になる条件（51.9％）
４．給与の受け取り方法（44.9％）
５．給与に含まれている一律の手当て名と金額（38.2％）
６．月収例（23.7％）

上記不安が解消されると79.3％の人が、応募意向が高まるとの結果が出ています。

学生層の求職者が知りたい「勤務シフト」条件は？　

学生層が重視する「勤務シフト」について、応募意向が高まるポイントを確認しておきましょう。柔軟なシフトの希望者が多いことがわかります。

【記載しておきたいシフト申請とシフトの申請タイミング】
※カッコ内の数字はアンケート回答率
・シフトの申請は自己申告制（83.1％）、固定シフト制（10.2％）、シフト交代制（6.7％）
・自己申告制のうち、2週間に1度以上のシフト申請（80.6％）、1か月間に1度のシフト申請（19.4％）

【記載しておきたい勤務日数・時間と、平日・休日の勤務】
※カッコ内の数字はアンケート回答率
・勤務日数・勤務時間は「週3日」「1日4時間」が最多ですが、「週5日」（19.9％）、
「1日6時間以上」（29.1％）とフリーター層と同水準の希望者も一定数います。
・平日・休日勤務は「休日（土・日）」が平日のみよりも多くなっています。

学生層の求職者が知りたい「給与以外の条件」は？　

学生層が重視する給与以外の「待遇・制度・条件」の重要度の高い条件についての結果も確認しておきましょう。

【記載しておきたい給与以外の条件】
１．交通費支給（60.5％）
２．シフト自己申告可能（59.1％）
３．急な休みの申告可能（30.1％）
４．まかない・食事補助（15.6％）
５．長期休暇取得可能（14.8％）
６．昇給制度（14.5％）／６．髪型・染髪自由（14.5％）
８．有給休暇制度（13.7％）／８．ボーナス・賞与（13.7％）
１０．制服の無料貸与（12.4％）

と続きます。
特徴的な点として、「まかない・食事補助」「シフト自己申告可能」が高く、「髪型・染髪自由」「長期休暇取得可能」も他のターゲットより高くなっていることです。

また、最も重要な「交通費支給」により87.9％の人が、応募意欲が高まると、回答しています。「交通費の支給タイミング」は当月中以内の支給を62.1％の人が希望しています。

学生層の求職者が知りたい「未経験の仕事」の情報は？

　 仕事を探すとき77.1％の人が「未経験の仕事」を検討対象にしています。未経験の人が応募しやすくなる重要度の高い情報を確認しておきましょう。

【未経験の求人で記載しておきたい情報】
１．詳細な研修内容（65.1％）
２．未経験で入社した人の人数・比率（44.9％）
３．未経験で入社した人のコメント（43.5％）
４．未経験で入社した人の定着率（41.4％）
５．教えてくれる先輩・上司の情報（40.3％）
６．未経験で入社した人の入社後のキャリア・昇給の実例（25.5％）
７．未経験で入社した人の写真（11.0％）

研修内容では「紙のマニュアル」（65.1％）、「年齢の近い先輩などに直接教えてもらいたい」（54.6％）を希望していることも分かっていますので、工夫してみましょう。

あわせて、「応募資格」についても、記載があると応募率が上がる項目もみておきましょう。

【応募資格について記載しておきたい情報】
１．資格の具体性（経験年数やスキルのレベル感）（53.8％）
２．絶対に必要な応募資格と、可能であればあるといい応募資格のすみわけ（49.2％）
３．それぞれの応募資格が必要な理由（38.2％）
４．業務上の経験やスキル以外の詳細の応募資格（36.3％）
５．資格が複数ある場合の優先順位（25.5％）

学生層の求職者が知りたい「職場の環境・雰囲気」は？

　 学生層は応募前に「職場の環境や雰囲気」の詳細情報も知りたいことがわかっています。「職場の環境・雰囲気」について、応募意向が高まるポイントを確認しておきましょう。応募前にインターネットで情報や口コミを確認することもわかっています。

【記載しておきたい職場の環境・雰囲気の情報】
※カッコ内の数字はアンケート回答率
１．職場の年齢層（68.3％）
２．職場の人の男女比（61.0％）
３．同僚の雰囲気（写真や動画など）（59.4％）
４．職場の内観（写真や動画など）（57.0％）
５．上司の雰囲気（写真や動画など）（51.9％）
６．職場の人数（51.1％）
７．提供している商品やサービス（写真や動画など）（34.9％）
８．職場の休憩所、バックオフィスなどプライベートスペース（写真や動画など）（34.9％）
９．職場の外観（写真や動画など）（33.9％）
１０．飲食業・サービス業・小売り業などでのお客様の層（27.7％）

応募意向が高まる「履歴書」に関する条件は？

学生層も個人情報である履歴書に関する取扱いに敏感になっていることがわかっていますが、特に、履歴書不要にして面倒な応募手続きをなくし、面接時に情報シートを作成してもらうことで応募効果の期待が高まることが確認できます。

【記載しておきたい履歴書に関する情報】
※カッコ内の数字は応募意向が高まると回答した率
・不採用の場合の「履歴書を返却」（28.8％）
・面接時の「履歴書不要」（68.6％）

学生層の傾向としては、現在の生活を維持・重視していることが推測できる内容でした。柔軟な働き方を重視しており、給与と交通費の支払いタイミングも早い周期を希望する傾向があります。学生層が応募したくなる情報を丁寧に記載して、募集効果を図りましょう。

【学生編】として、個別ターゲットで重視しておくべき、求人広告の記載ポイントを詳しくご紹介してきました。【主婦/主夫編】【フリーター編】でも、それぞれのターゲットにおける重視ポイントを詳しくご紹介します。

ディップ総合研究所「これまでの求人募集が変わる！　求職者が応募したくなる採用のヒント～アルバイト・パート3,000人アンケート～」
https://www.baitoru.com/dipsouken/all/detail/id=259を元に作成