2019-09-26
業界別「アルバイトの平均給与&時給」データ&トピックス (7)2019年6月速報
厚生労働省が実施している「毎月勤労統計調査」より、パート・アルバイト(パートタイム労働者)の給与・時給額に関するトピックスをご紹介します!
2019年6月の現金給与総額は、一般労働者が607,871円(前年同月比1.0%増)、パートタイム労働者が103,693円(同1.1%減)でした。パートタイム労働者の比率は31.02%と0.42ポイント上昇しています。前年に比べ、給与総額は全ての労働者の平均で0.4%プラス。総実労働時間は3.2%のマイナスでした。
入職・離職状況
労働移動率データより、入職(新規就業・転職)と離職の状況を見てみましょう。パート労働者全体では、入職率3.82%、離職率2.95%。平均よりも入職率が高かったのは、「生活関連サービス等」(6.58%)、「飲食サービス業等」(5.74%)、「情報通信業」(4.92%)、「教育,学習支援業」(4.40%)、「学術研究等」(4.01%)です。離職率が高かったのは「生活関連サービス等」(4.53%)、「飲食サービス業等」(4.29%)、「情報通信業」(3.58%)、「学術研究等」(3.49%)、「不動産・物品賃貸業」(2.99%)、「電気 ・ ガス業」(2.95%)でした。
新生活が安定してくる6月のパート・アルバイトの動向は、大学生などの入職、お中元商戦の求職が増える主婦層の動きなどが特徴的な時期です。生活関連サービス、飲食サービス業、情報通信業は入職・離職率とも高くなっています。
パート・アルバイトの時給
産業別のパートタイム労働者の時間当たり給与は以下の通りです。全体では前年比2.5%の上昇となりました。
<パートタイム労働者時給>
調 査 産 業 計 1,162円
製 造 業 1,042円
卸売業,小売業 1,050円
飲食サービス業等 1,044円
教育,学習支援業 1,671円
医 療,福 祉 1,435円
その他のサービス業 1,147円
パート・アルバイト採用トピックス
ファストリテ―リング社が、欧米勤務の場合など入社3年で年収3000万円の報酬も想定した新たな人事制度を発表しました。2020年春にも、新人の段階から専門性や個人の能力に応じたポストを与えて個別に育成する方針のようです。柳井社長は接客を担うパートやアルバイトからも優秀な人材を引き上げるため、優秀なら時給を高くして地域の正社員並みの給料にする予定とのこと。世界中から優秀な人材の獲得競争に直面する日本企業が先行して、年功序列モデルの廃止と能力主義を徹底させる動きが出始めました。
一方で、政府の経済財政諮問会議による、全国平均で「最低賃金をより早期に1000円引き上げる」目標の論争が繰り広げられました。これは生産性の低い企業の人件費コストが上昇し、市場からの退出の増加や、労働コスト以外への価格転嫁の懸念もあるものです。これらの動きは、格差は是正するばかりか、さらに拡大していくようにも思われます。生産性向上の追及と格差是正という理想は、どこまでも交わることがないように見えます。
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