2019-10-03
業界別「アルバイトの平均給与&時給」データ&トピックス (8)2019年7月速報
厚生労働省が実施している「毎月勤労統計調査」より、パート・アルバイト(パートタイム労働者)の給与・時給額に関するトピックスをご紹介します!
2019年7月の現金給与総額は、一般労働者が498,895円(前年同月比0.3%減)、パートタイム労働者が103,453円(同0.1%減)でした。パートタイム労働者の比率は30.82%と0.08ポイント低下しています。前年に比べ、給与総額は全ての労働者の平均で0.3%マイナス。総実労働時間は0.7%のマイナスでした。
入職・離職状況
労働移動率データより、入職(新規就業・転職)と離職の状況を見てみましょう。パート労働者全体では、入職率3.34%、離職率2.74%。平均よりも入職率が高かったのは、「飲食サービス業等」(5.30%)、「生活関連サービス等」(4.68%)、「教育,学習支援業」(3.43%)です。離職率が高かったのは「情報通信業」(4.23%)、「生活関連サービス等」(3.99%)、「教育,学習支援業」(3.63%)、「その他のサービス業」(3.03%)でした。
7月のパート・アルバイトの動向は、夏休みバイトを探す学生が増え始めること、学校へ通っている子供が夏休みに入ることから労働を控える主婦層の動きが特徴的な月です。飲食サービス業、生活関連サービスの入職率は高くなっています。
パート・アルバイトの時給
産業別のパートタイム労働者の時間当たり給与は以下の通りです。全体では前年比2.4%の上昇となりました。
<パートタイム労働者時給>
調 査 産 業 計 1,162円
製 造 業 1,034円
卸売業,小売業 1,060円
飲食サービス業等 1,056円
教育,学習支援業 1,642円
医 療,福 祉 1,428円
その他サービス業 1,117円
パート・アルバイト採用トピックス
深刻な人手不足の流れに対し、国・企業・労働者のそれぞれにおいて変化に対応する動きが見られます。
まず、企業におけるRPAやAIなどによる生産性向上と労働者の業務の付加価値向上が進んでいます。チェーンストアではセルフレジの導入も進んでおり、AIで来店客数や食材消費量を予測し、省人化による利益率の向上を図る外食企業も見られます。
また、女性やシニアの活用も進んでおり、国も厚生年金の加入対象者を増やすため、収入基準内で働く時間を調整しようとする“パート就労の壁”についても見直そうとする動きが出ています。2020年4月施行の同一労働同一賃金の制度(中小企業は2021年4月施行)は、パートタイマーにも適用されるもので、一部の企業ではパートタイマーの正社員への転換の動きも見られます。
そのほか、国は中小企業対策として従業員の処遇改善のための助成金や生産性向上のための助成金なども講じており、さらに拡充する様子です。2019年4月施行の働き方改革の影響では、労働者の帰宅時間が早まる動きが見られます。特に都市部の繁華街に、若者を中心に外食や買い物の増加の動きも報じられていますが、スキマ時間に副業や単発の仕事を請け負う「ギグワーキング」の拡大も注目されています。
この動きには国や企業側の労働環境の整備が不可欠であり、改善整備も進んでいくと考えられています。今後も多様な働き方と生産性向上のための新技術による仕事の進化についてウオッチしておき、環境変化に合わせた人材採用計画を柔軟に見直していく必要があるでしょう。
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