競合他社の先をいく 求人広告の差別化ポイント【後編】
効果的な差別化によって、自社の魅力を訴求する求人原稿制作ノウハウを紹介する本企画。後編では、「人」と「働き方」に関する差別化のポイントについて考えてみましょう。
2018年3月に「エン・ジャパン」が実施した「アルバイト・仕事を辞めたいと思った瞬間」に関する調査結果を見ると、1位が「人間関係に悩んだ」で52%、2位が37%で「給与が低い」、3位は「理不尽に怒られた」の33%。仕事探しをするうえで、「どんな人が働いているのか」「人間関係をうまくやっていけるのか」を重視している求職者が多く、働いているアルバイトスタッフや職場の雰囲気に関する情報は効果的な訴求ポイントとなります。
自社で働くスタッフの紹介は、求職者の不安を払しょくする要素であるとともに、他社との差別化を図れる絶好の材料でもあります。求職者の動機付けや好感度向上につなげるために、どんなアプローチをすればいいのでしょうか。最初に考えるべきは2点。「求人広告のターゲットは誰か」「何を自社の魅力とするのか」です。
例えば「働いている人の実例や生の声」を掲載するなら、自社の採用ターゲットに近い人材を出すのが鉄則です。実例やモデルを介して訴求する効果は、読み手自身が働く姿をイメージできたり、共感してもらえたりすること。応募理由、仕事の内容、働いている時間、エピソード、魅力に感じていることなどをできるだけ具体的に書くといいでしょう。
働いている人たちについて全体的に伝える際も、工夫が必要です。ありがちなのが「幅広い年齢層が」「学生、主婦、フリーターが」「アットホーム」「笑顔で楽しく」などの定番ワード。ここでも、「子育て中の」「授業が終わった後」「資格試験の勉強と両立させて」などのプロフィールやエピソードを入れるだけで、より独自性の高い原稿になります。
年齢層や属性を表現するだけでなく、「どんな人材を求めているか」「活躍しているのはどういうタイプの人か」「仕事で感じられるやりがいはどういったものか」が伝われば、それらに惹かれる求職者のアクションを促すことができるでしょう。
「自社の事業・サービスやスタイルについてしっかり紹介し、実際に働いているアルバイトスタッフの生の声や実例を具体的に伝える」。効果が出ないと嘆く人事担当者や制作会社の方は、ぜひ試してみてください。