業界別「アルバイトの平均給与&時給」データ&トピックス (12)2019年11月速報
厚生労働省が実施している「毎月勤労統計調査」より、パート・アルバイト(パートタイム労働者)の給与・時給額に関するトピックスをご紹介します!
2019年11月の現金給与総額は、一般労働者が369,813円(前年同月比0.3%増)、パートタイム労働者が99,291円(同0.8%減)。パートタイム労働者の比率は31.53%と0.31ポイント上昇しています。前年に比べ、全体の給与総額は0.2%マイナス。総実労働時間は3.6%のマイナスでした。
労働移動率データより、入職(新規就業・転職)と離職の状況を見てみましょう。
パート労働者全体では、入職率3.17%、離職率2.66%。平均よりも入職率が高かったのは、「建設業」(5.23%)、「生活関連サービス等」(5.07%)、「不動産・物品賃貸業」(4.86%)、「飲食サービス業等」(4.66%)、「情報通信業」(3.75%)です。離職率が高かったのは「生活関連サービス等」(4.24%)、「飲食サービス業等」(3.97%)、「その他のサービス業」(2.90%)、「建設業」(2.67%)、「学術研究等」(2.66%)でした。
2019年11月のパート・アルバイトの動向は、「建設業」の高い入職率・離職率が特徴的な結果となっています。
慢性的な人手不足の建設業界において、特に台風19号などの災害復興工事が集中したことに加え、全国での防災・減災対策工事や、東京オリンピック関連や都市部の大規模開発も続いている背景があります。飲食サービス業、生活関連サービスは、引き続き入職率・離職率とも高くなっています。
産業別のパートタイム労働者の時間当たり給与は以下の通りです。全体では前年比3.0%の上昇となりました。
<パートタイム労働者時給>
調 査 産 業 計 1,176円
製 造 業 1,051円
卸売業,小売業 1,077円
飲食サービス業等 1,060円
教育,学習支援業 1,648円
医 療,福 祉 1,448円
その他のサービス業 1,149円
経団連が2020年1月21日に公表した「2020年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」に関して、メディア各社は、日本型雇用制度の見直しに重点が置かれている点を大きく報道しました。
また、東京商工リサーチは1月15日に、2019年1月から12月における上場企業の希望・早期退職の実施状況に関する調査結果を発表し、希望・早期退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万351人と、社数と人数のいすれも過去5年間最多だったと公表しています。
富士通やルネサスエレクトロニクスなど大規模なリストラに踏み込んだ企業が注目されました。
一方、働き方改革とあわせて、副業を認める企業は拡大しており、週休3日制を導入する企業も報道されています。社外でのパラレルキャリアを求める動きは活発化しており、雇用の流動化はさらに高まる見込みです。
そのようななか、すぐ働けてすぐお金がもらえるスキマバイトアプリの「タイミー」が、導入社数が2000社を超えたと発表しています(2019年11月22日時点)。
導入企業にとっては、人手不足の解消、社員の離職率の低下や残業時間の減少などの職場改善のメリットが生まれ、アルバイト求職者にとっては、面接・応募なしでスキマ時間にすぐに働けて、業務終了後にすぐにお金がもらえるというメリットがあるというサービスです。
学生ユーザーが先行しているようですが、短時間労働市場が拡大するなか、利用者の幅は主婦・社会人にも広がっていく可能性があります。
そして、時間的制約の解消のみならず、デジタル技術の発展にともない、地方の単発業務への人材流動化も期待されます。これらの動きは、慢性的な人手不足の課題解決に期待できる動向としてとらえて一考の余地があるのではないでしょうか。
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