アルバイト・パート就業者は増加、若年層は減少 数字で見る「非正規雇用の現状」
労働市場、雇用形態の構造上の問題として、昨今は非正規雇用の話題が特に注目されています。
パート・アルバイトは企業側も雇用される側にとっても、必要不可欠なワークスタイルです。
総務省統計局が2019年に発表した、2018年分の労働力調査の速報結果をもとに、非正規雇用者の動向について解説します。
近年は、少子高齢化と人口減少が叫ばれておりますが、実態はどのようになっているのかをみていきましょう。
総務省統計局「国勢調査」によると、総人口のピーク平成20年(12808万人)。平成23年以降は減少し続けています(平成30年、12644万人)。
そのうち、65歳以上人口は平成30年に28.1%、75歳以上人口は14.2%で、いずれも平成元年以降は上昇しています。
これに対して0~14歳人口は平成30年に12.2%となっており、高齢者人口の増加に合わせるように下がり続けています。
生産年齢人口である15~64歳人口は、平成7年(8726万人)をピークに減少し、平成30年(7545万人)はピーク時より1181万人少なくなっています。
また、総人口に占める生産年齢人口の割合は平成4年(69.8%)をピークに減少し、平成30年は59.7%と6割を下回り、昭和25年(1950年)以降の間で最低となっています。
総務省統計局「労働力調査特別調査」「労働力調査(詳細集計)」によると、就業者数の推移は平成元年に5904万人に対し、平成30年は6578万人(674万人増)となっており、実は増加しているのです。ここで特筆すべきポイントは「正規の職員・従業員」が減少し、「非正規の職員・従業員」が増加していることです。
「正規の職員・従業員」は平成元年(3452万人)から平成30年(3423万人)で29万人の減少、「非正規の職員・従業員」は元年(817万人)から平成30年(2117万人)で1300万人も増加しており、19.1%UPの38.2%となっています。
つまり、「就業者の4割は非正規雇用者」ということになります。
「非正規の職員・従業員」には、パート・アルバイト・労働者派遣事業所の派遣社員・契約社員・嘱託・その他が含まれます。
職員・従業員全体に占めるパート・アルバイトの割合は、平成14年以降は上昇し続けており、平成30年に26.6%で非正規のボリュームゾーンとなっています。
若年層(15~34歳)の「パート・アルバイトおよびその希望者」は、平成30年に143万人。前年比で9万人減少しています。
景況感により、派遣社員にシフトする動きが見られる時期もありますが、ここ数年は減少トレンドを示しています。
アルバイト・パートで働く層は、徐々に高齢化していくと予想されています。2018年における「35~44歳」のパート・アルバイトは52万人でした。自由な生き方として注目された時代もあるパート・アルバイトですが、昨今では「社員になれないからアルバイト」という層が増えているようです。
働き方改革がスタートしており、今後も同一労働同一賃金制度の施行に企業の対応が迫られるなか、労働人口の動態の理解を深める情報として、参考にしてみてください。
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