業界別「アルバイトの平均給与&時給」データ&トピックス (6)2019年5月速報
厚生労働省が実施している「毎月勤労統計調査」より、パート・アルバイト(パートタイム労働者)の給与・時給額に関するトピックスをご紹介します! 改元と大型連休が重なった2019年5月の現金給与総額は、一般労働者が355,643円(前年同月比0.3%増)、パートタイム労働者が96,275円(同2.2%減)でした。パートタイム労働者の比率は30.92%と0.49ポイント上昇しています。前年に比べ、給与総額は全ての労働者の平均で0.2%マイナス。総実労働時間は4.4%のマイナスでした。
労働移動率データより、入職(新規就業・転職)と離職の状況を見てみましょう。パート労働者全体では、入職率4.22%、離職率3.51%。平均よりも入職率が高かったのは、「教育,学習支援業」(6.78%)、「生活関連サービス等」(6.26%)、「飲食サービス業等」(6.10%)、「電気・ガス業」(5.98%)、「学術研究等」(4.36%)です。離職率が高かったのは「情報通信業」(10.31%)、「生活関連サービス等」(5.14%)、「飲食サービス業等」(4.84%)、「その他のサービス業」(3.53%)でした。 2019年ゴールデンウィークが大型10連休となる産業が多い中、「10連休を支えるサービス業」の存在があります。この背景による入職・離職率への影響も考えられます。飲食サービス業は入職・離職率とも高くなっています。
産業別のパートタイム労働者の時間当たり給与は以下の通りです。全体では前年比2.2%の上昇となりました。
<パートタイム労働者時給>
調 査 産 業 計 1,160円
製 造 業 1,050円
卸売業,小売業 1,055円
飲食サービス業等 1,041円
教育,学習支援業 1,630円
医 療,福 祉 1,438円
その他のサービス業 1,143円
社会問題に発展しているコンビニエンスストアの「24時間営業問題」が注目されています。深刻な人手不足と仕事の激務を背景に、コンビニエンスストアの安定的オペレーションの実現が困難になっていることから、加盟店オーナーが自主的な時短営業を実施しました。それに対し、本部が契約違反を理由に違約金の発生を指摘したことを契機に、加盟店と本部との対立が発生したものです。 始まったばかりの働き方改革関連法施行の影響は、フランチャイズなどチェーンストアのビジネスモデルの転換にまで発展してきたようにも見えます。採用難が続くなか、小売・サービス業全体のオペレーションの変革につながっていくかもしれません。